疲労のせいだけではない重い足取りでルーティは神の眼の前に立つ。


「アンタとは結構長かったけど、なかなか楽しかったわよ」

《私も、妹が出来たみたいで楽しかったわ。ハラハラした事もあったけど、とても新鮮だった。
 あ、ヘソクリの場所変えておいた方が良いわよ。孤児院の子達、貴女に似てきたのかカンが良くなってきたから》

「ハァ……最後まで忠告ありがとさんってね」


 溜息の後、彼女は切っ先を神の眼に向けた。


《今までありがとう》

「それはコッチの台詞よ」


 奥歯を噛み締め、柄を握り締める。


「……ありがと……アトワイト」

《元気でね、ルーティ》


 ソーディアン・アトワイトは神の眼に突き立てられた。

 すかさずフィリアがルーティと入れ替わる様にしてそこに立つ。


《そちの様な優秀な娘と別れるのは名残惜しいのう》

「私もですわ……クレメンテには、沢山の事を教えていただきました。出来ればこれからも……なんて思ってしまいます」


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bkm

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