そして千年後、科学は目覚め戦争の引金は引かれた。

 そして今、今度こそ全てを終わらせる時だと彼等は言う。


「……何で黙ってたんだよ!!」


 怒鳴るスタンだが、答えは聞かずとも分かっていた。だからこそ悔しく、だからこそ怒りを募らせる。


「なんで……他に方法は無いのかよ……!」

《コレばかりはな……不可能だった事が漸く可能になったんだ、仕方あるまい》

「仕方ないとかの問題じゃないだろ……! 俺は……俺は、お前を犠牲にするなんて嫌だ!!」


 胸の内を吐露する青年の顔は苦悩に満ちていた。


「コレ以上、誰かを犠牲になんてしたくない……!」

《……スタン……》


 “兵器”である前に“人間”としてデ、ィムロスは敢えて叱咤する。


《その犠牲を乗り越えお前は何の為に此処まで来たのだ! 此処で躊躇っていたらどうなるか分かるだろう!》


 揺れの中でに響く彼の声、青年は歯を食い縛る。


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bkm

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