もう、そこに天上王は居ない。居るのは5本ソーディアンと、5人のソーディアンマスターだけ。神の眼は落ち着きを取り戻したのか、穏やかな輝きを見せている。

 しかし喜ぶ時間は無い、足下の揺れ――地上を破壊せんとする外郭崩壊は続いていた。


《神の眼の出力が落ちている……今ならいけるな》


 両膝をつくスタンの手の中で、静かにディムロスは言った。


《外郭を地上に落とさせはせん、ミクトランの思い通りの最期なんぞ迎えさせてたまらものか》

「ディムロス……」


 ふらつく身体でスタンはなんとか立ち上がり、神の眼の圧力が無くなった事で他の者達も立つくらいの力を取り戻し彼に続く。


「何を、するつもりだ……?」

《ハイデルベルグでお前は言ったな、“神の眼があるから皆が不幸になると”。それに我はこう返した、“破壊出来るなら当時やっている”とな》

「……まさか……!」

《ああ、ハイデルベルグでは千年前と同じだった。だが、今は千年前とは違う》


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bkm

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