12

 それは神の眼そのモノだった。


「メルティアス!!」


 純粋な神の眼のエネルギーは、奮闘を続け力尽きかけた若者達に向かい放たれる。床を抉り、空気を裂き、ひたすら破壊する為だけの力は彼等を飲み込もうとしていた。


「何、やってんのよ……アンタ達!!」


 絶望的な状況の中で仲間を護ろうというのか、2人はソーディアンを床に突き刺しありったけの力をその想いに込めようとした。ディムロスとシャルティエもそれに応えようとする。

 圧倒的な力を前にして出来るのはそれだけだった。


「スタン!! リオン!!」


 破壊の光は勝目を眩ませる。

 だが突然何かがそれを遮った。


「……、……!?」


 彼等の眼には後ろ姿が写っている。両手を広げて、絶対なる力の前に立っている。

 天上王などではない、同じ時代で、同じ時を過ごした姿がそこに居る。


「…………!!」


 エネルギーが炸裂する音と、“名前”が重なった。


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bkm

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