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「リ……オン……!」

「……っ」


 傍に倒れているリオンは眼を開け、身体を起こそうとする。同様にスタンも絶え絶えの息でどうにかして立ち上がろうとした。


《まさか、精神だけで神の眼に干渉するか……!?》


 コアを破壊し、身体は滅んだ。それでも天上王は執着する。

 執着心を神の眼が現実にする。


「くそっ……今度、こそ……!」


 後方に居るルーティやフィリアはともかく、ウッドロウも動けないでいた。先程の術は支援を潰す為のモノだったのか。

 かろうじて動けるスタンだが、足に力が入らない。それはリオンも同じで、腕で自分の身体を支えるのが精一杯だった。


「滅びよ、愚かな地上人共!!」


 呼応する様に神の眼が今まで見た事無い程の輝きを放つ。歪で、それでいて神々しい、人の手の中にあってはいけない輝き。

 それは天上王の前で集束する。


《立てスタン!!》

《坊っちゃん!!》


 完全に神の眼に圧されている状態のソーディアン達には何も出来ない。


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bkm

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