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「ディムロス、何を考えてんだ……?」

《考えているわけではない、コレは、……!?》


 視線をソーディアンに向けていた皆は一斉に神の眼を見た。

 直後神の眼は歪な光を放ち、そしてソーディアンマスター達の頭上からとんでもない数の光の矢を降らせる。


《スタン!!》

《ルーティ!!》

《坊っちゃん!!》

《フィリア!!》

《ウッドロウ!!》


 矢が収まると、揺れる床の上に彼等は倒れていた。


「く……ぁ……」


 ディムロスを支えにして何とか身体を起こしたスタンは見た。

 目の前に居る、金色の髪を揺らした天上王を。人の雰囲気なんぞ微塵にも無い、歪な笑顔と共にある天上王を。

 まるで亡霊だと彼は思う。


「絶望の淵に果てよ、……虚空の蒼!!」


 神の眼が輝き形成された鈍い蒼の剣が、宙を薙ぎ彼を狙う。ディムロスは叫ぶが、頭が考えるが、身体が動かない。

 迫る蒼、だがそれは不意に離れ、蒼が発生させた衝撃波が彼を――彼等を後方に居る3人の前に吹き飛ばした。


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bkm

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