フィリアが頑張っているとはいえ拘束は数秒しか持たないだろう。現にミクトランの動きは完全に止まってはいない。
ならばこの数秒が勝負である事は誰にだって分かる事。
下等と呼ぶ障害の排除という思考に執着するミクトラン以外には。
「リオン!」
「ああ!」
スタンとリオンがこのチャンスに挑んだ。
リオンが前を走りミクトランとの距離を詰めると、左腕に自由が戻ったのか晶力を込めながら彼の首を狙う。それを既の所で少年は避け、自由になった“彼女のコアクリスタル”がある左腕を素早く斬り飛ばした。
それは必要な事であり、そしてせめてものという想いがその行動にはある。
《ガラ空きだ!!》
一度後ろに跳んだ後、彼は前に体重を置き闇槍を構え同時に己の周りに同じモノを召喚した。
「デモンズランス・ゼロ!!」
近距離で放った槍は、全てミクトランの身体を貫く。直後フィリアが倒れ、拘束は完全に溶けた。
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bkm
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