「大丈夫かフィリア君!」

「は、はい!」


 時間を掛ければ掛ける程、勝率はかなりの勢いで低下していく。

 残った4本の内の2本の切っ先が、動きが鈍いルーティに向かいエネルギーを照射しフィリアが急いで障壁で防いだ。


「ルーティさんっ」

「だ、大丈夫よ、女だからって、ナメられたくないもの」


 ルーティは笑っているが、アトワイトを握る手が震えている。

 治癒術等の生物に干渉する術は攻撃術よりも複雑な構造をしているらしい。この決戦でそれを躊躇い無く奮い続けていた彼女は、誰よりも消耗が激しいだろう。


「アトワイト!」

《まったく、負けん気の強い子ね》


 戦えているとはいえやはり前衛の動きは鈍い。今のままでは追い詰められる可能性がある。

 負ける要因は出来るだけゼロに近付けなければならない、それが出来る力が自分にはあるとルーティは信じた。


「ライフディスチャージ!」


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bkm

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