ソーディアンマスター達は天上王に刃を向ける。その力が如何に強大であろうと、どれだけ身体が傷ついていようと、重い身体を奮い起たせた。
《どうしてそこまで出来るのか、理解したくもないわね》
《コレが戦争だと言ってしまったらそれまでじゃが、やはり奴はやり過ぎじゃ》
《胸糞悪い以外の何物でもないな》
《絶対、許さない……!》
かつて人であった身としてソーディアン達は意思を奮わせ、気力で動くマスターへ力を与える。
《天上の塵に消えるのは貴様だミクトラン……!》
「ソーディアン共が、辞世の句はそれでいいのか?」
醜ささえ感じられる悪意の笑みの後、神の眼が異様な輝きを放ち晶力が弾けた。ソーディアンマスター達は吹き飛ばされぬ様に足に力を入れ踏ん張る。
その中で天上王の笑い声が響く。
「地上の民共! 己の愚行を恥じ滅びるがいい!」
そして光の中から現れたのは、人の形をしているが人ではない、6本の剣の様な物を従える、青い異形と化した“ミクトラン”。
兄妹の声が重なる。
『我々コソガ絶対ナル王! 全テヲ支配スル神ナノダァァァァァ!!』
だが、皆はミクトランの言葉が間違っていると確信している。
天上世界を望んでいるのは“兄”だけ。
「シスコン野郎が、妹の真似して喜んでんじゃないわよ」
「力に溺れた者の末路を、思い知りなさい……!」
「まるで、悪知恵が働く子供がそのまま大人になったかの様だな」
「愚行を恥じるのは貴様だ、ミクトラン……!」
終わる、終わらせる、何としてでも。
「行くぞ、ミクトラン!!」
きっと、それを望んでいると信じて。
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