「リオン!!」
動かない少年を狙う黒刃をルーティが斬り防ぎ、神の眼の前に鎮座する天上王に叫ぶ。
「アンタ頭おかしいんじゃないの!? 何でこんな事が出来んのよ!!」
今更過ぎる、だが叫ばずにはいられない。
そして案の定天上王は首を傾げる。
「何故激昂する、シワトルは此処に居るというのに」
その言葉に間違いは無い、シワトル=ミクトラの核となるコアクリスタルは既に天上王の左手に取り込まれている。コアクリスタルが存在し続ける限り、彼女は存在し続ける。
「兄に尽くせるのだ、妹にとってコレ以上の幸せはあるまい」
「お前が無理矢理コアクリスタルを奪ったんだろう! 何も言えない、何も出来ない、彼女を自分の思い通りにする為に!」
「シワトルの中には、私だけ居れば良いのだよ」
スタンの怒りに嘲笑を返した言葉に、彼は――リオンは言った。
「僕は……大切なモノを護る為なら、家族だって犠牲に出来る……」
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bkm
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