少年を除くソーディアンマスター達はふらつく身体に鞭を打ちミクトランに攻撃を仕掛けた。
だが、彼等の身体はすぐに吹き飛ばされ床に叩きつけられる。
「ぐっ……くそ……!」
《ミクトランめ、あのコアクリスタルを神の眼の制御媒介にしたか……!》
2人の天上王の力が1つになった今、最悪のシナリオが動き出した。“天上王の心臓”を手に、“天上王の器”は笑っている。
心臓を奪われた身体は、急激に温もりを失っていた。
「……エ、ミ……リオ……」
震える腕の中で、息をしていない彼女は彼の名前を呼ぶ。彼は、抱き締める事しか出来なかった。
ソーディアンマスター達は“天上王”を止めようと刃を向ける。
「エミ、リオ……」
微かに残った力で彼女は、少年の服を握り締めた。
「ごめ……ん……ごめん、なさい……エミリオ……」
そして彼女の身体は光と共に崩れ落ちる様にして消えた。
まるで最初からそこに何も無かったかの様に、何も残さずに。
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bkm
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