「絶対の終焉……冷気に抱かれて、刹那に沈め!」
ミクトランの晶術の中で、ルーティの周り氷柱が立ち上がる。
「インブレンスエンド!!」
切れ目から絶対零度の冷気と氷柱が抜け、再び障壁を展開したミクトランを襲う。
これまでの事を考えれば防がれて終わりだが、1度破られ再展開したばかり、そして今は術を行使している。一点に力を込めた氷柱は障壁を貫き、そこから入り込んだ冷気がミクトランの足を捕らえ凍らせた。
内側からの侵食、術の行使を止め打ち消そうとする天上王の斜め上で炎が燃え上がる。
「緋凰絶炎衝!!」
スタンと共に空気を裂いた一直線の炎の斬撃は、氷によって動きを鈍らされた天上王の身体を斬り抜いた。
天上王の後方で息を切らすスタンが着地した瞬間、氷は砕け鮮血が散る。
「がっ、ぁ……! ん、だと……!?」
驚愕しよろめく天上王。
だが、振り向いたスタンは見た。
確かな驚愕の中で、笑っている事に。
「……セシル!!」
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bkm
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