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「シワトルにだって心がある、それをお前は全然考えてない……妹を守ってやるべき兄貴が、一番妹を傷付けてる。
 リオンと一緒に居るセシルを見て、それでも自分が正しいと思ってたなら、お前は兄貴失格だ!!」


 その言葉を受けミクトランはベルセリオスを床に突き刺す。眼には怒り、口元には笑み、神の眼は僅かに輝きを増した。


「くだらん御託を並べるのが得意なのは、今も昔も変わらんか……。そんなにシワトルが大事なら、彼女の手で死ぬといい」


 兄の言葉に同調するかの様にシワトルはあのソーディアンを手にする。それから殆ど間を置かずソーディアンマスターに向かい走り出した。

 前に立ち刃を受けたのはリオン、身長差で僅かに押されるがしっかりと受け止める。


「セシル……!」

「…………」


 無表情のまま、頬を涙で濡らしている女性。

 どうしたらいいかなんて分からない、覚悟はとっくに決めた。きっと彼女も、そうなのかもしれない。


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bkm

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