不適な笑みを浮かべているミクトランの周りの空気が揺れ、何か仕掛けてくるのかと考えた皆は身構える。此方から仕掛けるとカウンターで返り討ちに合う可能性が高く、敵の行動をよく見るしかない。

 ただ、シワトルが全く動いていない事が気掛かり。それも含めて全く気を抜く事が出来ない。

 世界を懸けたそんな緊張感の中で、唐突にスタンが言った。


「生きている物がモンスターになるなら、生きていなければモンスターにはならない……のか?」

「アンタ、こんな時に何当たり前な事言ってんのよ……そんな事考えても仕方ない……」


 生の反対は死、つまり終わり、“生”を懸けた今は関係の無い話。しかし、この天上王にそんな定義が通用するのだろうか。

 リオンは“セシル”を思い出す。


「……セシルが身体を壊していたのと……関係があるのか……?」


 敵への問い、敵は笑う。


「シワトルには辛い環境だっただろうな、ソーディアンの傍で過ごすのは」


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bkm

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