詠唱待機状態のフィリアがふと思った事を口にした。


「天上王の復活には素体である人間が必要……ですが、逆を言えば素体の素質がある人間にソーディアンが渡らない限り野望は始まらない……生体保存が可能だとしても、確実性が無ければアテに出来ませんし……」

《ミクトランが運に任せる筈が無い……ミクトラン復活の本当の鍵はシワトル、というわけじゃな》

《確かにその点は俺も気になっていたが……フィリアが言った通り、生体保存はレンズを使っても不可能だと結論が出ている》

《モンスター化の可能性が高い、神の眼なら尚更……あのハロルドも言っていた事よ。それを覆すなんて、あの時代で出来るなんて……姿を変えるというのも……》


 不可能という単語は非常に現実的だが、眼に見える現実はそれを覆している。2人の天上王が築いた技術力、それがどれだけの驚異になるのか。

 だが止めなければならない、その片方が仲間だと言える存在だとしても。寧ろ仲間だからこそ。


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bkm

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