「とにかく、此方でもう少し調べてみよう。
船旅とこの気候で疲れているだろう、君達は此処で休んでいるといい」
「……分かった、頼むぞ」
そう言い残しリオンはその場を去った。
他の皆も寛ごうとした時、スタンがバルックに訊く。
「バルックさん、どうしてこの国の人達は外国を敵視しているんですか?」
「ああ、それは……そうだな、天地戦争を知っているかい?」
スタンはその単語を、船の中でフィリアから聞いていた。
「確か、大昔にあったっていう……」
「ああ……この国の人々は、天地戦争の敗者の末裔なんだそうだ。
戦争に負け罪人として扱われた彼等の先祖は、この過酷な地に押し込められた……外国を敵視しても、仕方ない事だと私は思う」
「そんな大昔の事、何時までも引き摺られてもねェ」
呆れがちにルーティが言うと、バルックは頷く。しかし、彼女の意見に同意はしなかった。
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