「セシルが存在しないって……セシルは、俺達と旅をしていたのをお前も知ってる筈だ!!」
スタンの叫びにミクトランは短い溜息を吐く。
「旅をした“だけ”だろう? お前達は“セシル・オルグレン”という存在の何を知っている」
「そんなの、お前がヒューゴさんにした様にそのシワトルがセシルを、……?」
そう思っていたからそう言った、だが今になって違和感を感じた。
確かに“セシル・オルグレン”という女性の素性と、“シワトル=ミクトラ”という女性の本質を、彼等は“知らない”。
しかしセシル・オルグレンは命を懸け“仲間”を助けた、シワトル=ミクトラは“敵”としてそこに居る。真逆の2人、だが今その身体は2人で1つ。
ミクトランはヒューゴの身体を乗っ取り復活した、だからその妹も同じ事をした。謎のソーディアン、裏切った仲間、それがその証明になる筈。
だというのに違和感が拭えない。今、現実にある存在を見ているせいか。
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bkm
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