苦笑するバルックという男性は、二人が連れている面々を見た後に問い掛ける。


「この場所は、誰かに聞いたのか?」

「いや、自力で来た。この町の人間は礼儀がなっていないな」


 それをアンタが言うか、とルーティはうっかり口が滑りそうになるのを堪えた。

 バルックはリオンの返答に、再び苦笑する。


「すまないな、この国の人々は外国への敵対意識が根強い。私がこの町に居る以上滅多な事は起きないだろうが……ヒューゴ様からの連絡を受けて、君達が此処まで来れるか心配だった。此方は数少ない人員を、情報収集に割いてしまったから迎えにも行けず仕舞いで」

「いや、お前はお前の仕事をしただけだ。で、何かアテはあったのか?」

「それが……外から来た荷を一通り当たってみたんだが、該当する物が無かった。元々町の人は此方に非協力的だから、それが原因でもあるが……」

「チッ……」


 舌を打ち、リオンはまた苛立ちを見せた。


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bkm

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