和やかな雰囲気、しかし着実に決戦の地へと竜は近付いていく。

 静かな外郭にウッドロウは呟いた。


「我々を誘っているか……外郭そのモノよりも、ダイクロフト内部の方がミクトランの影響を強く受けるだろうからな」

「そうですね……機兵で此方を疲弊させて、奥まで辿り着いた私達を自らの手で倒す……という事も有り得ます。結果は自分の眼で見なければならない……科学者ならば、当然の発想です」

《良い読みじゃフィリア、儂の鼻は高いのう》

「そんな……誉められる程の事ではありません」


 緊張は少しずつ大きくなり、“敵”の大きさを改めて理解する。

 飛行竜はダイクロフト中部にある出入口を見つけ、そこへ向かい高度を落としていく。


「動きはありませんね……。ですが、体勢は整えていてくださいね、いきなりズドンて来るかもしれないですから」


 フィリアの忠告を受け取り全員気を引き締める。

 竜は少しずつ、その忌々しい建物へと近付いていった。


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bkm

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