今度こそ確実に叩き潰しに来る、それは考えずとも分かる事であり、皆が分かっている事だった。
ウッドロウに宥められ静かになった姉弟はスタン等の傍に立つ。
「ミクトランが神の眼から離れるわけないわよねェ、アタシだってアレ欲しいもの。で、結局ガルド換算で幾らになるのかしら」
《貴女って子は……本当お金が好きね》
「まあねー、……血筋、ってヤツ?」
呆れるアトワイト、シャルティエは余計な事を言う。
《坊っちゃんは、スイーツに目が無いのが血筋……》
「お前を売り捌くぞ」
冗談かと思いきや眼が本気なのでシャルティエは黙る。
それに呆れるのはイクティノス。
《シャルティエの失言はどれだけ時を重ねても治らないな。性格さえ何とか出来れば、将軍だって夢ではなかっただろうな》
《僕は縁の下の力持ちなんだから、いーの》
「力持ち……?」
首を傾げるリオン、つまりそういう事であり、敢えて言葉にしない事が彼を更に傷付ける。
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bkm
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