閉ざされた世界を離れ、飛行竜は太陽の光を全身に浴びた。


「……コレは……!」


 進む飛行竜の下に広がる大地を見て、スタンが驚愕する。


《まさか、もう此処まで完成しているとは……》


 ディムロスも驚くその大地には緑が広がり、木々は流石に無いが所々には花も見える。

 “楽園”、その呼称が相応しいとさえ思えてしまう。


《今更、かつて我等が目指したモノが現実になるとはな……》

「……違う」


 スタンは否定する。


「こんなの、ディムロス達が目指した世界なんかじゃない……。見た目は、確かに綺麗かもしれないけどさ……ここには動物も、人間も居ない……皆、外郭の下で、この外郭を怖がってる。
 ディムロス達が目指したのは、世界中の皆が幸せになれる世界だろ……こんなの、ハリボテと同じだ、生きてるって感じがしない」

《……フッ、お前の本質を見極める力は本当に驚かされる。生きていない世界か……確かにそうだな、此処はミクトランの為だけの世界、ハリボテと呼ぶに相応しいな》


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bkm

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