リトラーは、ラディスロウで微笑を浮かべているのだろうか。
《レイノルズ、砲の準備は完璧だな?》
「もちろんです」
《なら安心だな》
「任せてください、司令」
自信に満ちた言葉に彼は告げる。
《ではそろそろ通信を切るとしよう……君達が行く道に、幸多からんことを……レイノルズ、さらばだ》
「……はい、メルクリウス・リトラー」
切られた通信、レイノルズはすぐにパネルを元に戻した。
そして見上げる、その先には確かな道がある。
「……皆、僕達に出来る事は全部やった……だからあとは、勝つだけなんだ……その準備はいいかい?」
返ってくる答えは皆同じ、それをレイノルズは涙を拭い笑う。
そして始める。
「集積レンズ砲発射準備! 出力100パーセント! 目標、外郭……ラディスロウ!!」
研究員達が総出でレンズ砲の起動を開始した。少しずつ大きくなる駆動音、同時に砲口から光が漏れ始める。
prev next
bkm
[back]