《それは現場の判断……即ちソーディアンに一任している。彼等が何も言わないのは何か考えがあっての事なのだろう》
ソーディアンマスター達は今まで敢えてそれを訊きはしなかった。リトラーの言葉と同じく考えがあっての事だと信じているから。
だが、マスターにも伝えない“何か”とは何なのだろうか。きっとソーディアンを疑惑の眼で見る者が居るだろう。
それを踏まえてなのか、リトラーは今までで一番真剣味を帯びた言葉を伝える。
《だから、ソーディアン達を信じてはしい。彼等は必ず最良の判断を下す……天上を止める為の剣として》
彼等を纏め上げた男が此処に居たら、頭を下げていたのだろうか。
一番に答えたのは、レイノルズの判断を“最良”としたリトラーに対する精一杯の笑顔を見せたスタン。
「心配要らないよリトラー、俺達は皆で力を合わせてここまで来たんだ、今更信用しないわけないって」
「アンタは何時までも単細胞ね……」
「まったく……何時になったら疑うという事を覚えるんだ」
「それが、スタンさんの良い所ですわね」
「ルーティ君もリオン君も、それをよく分かっているのだろう」
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bkm
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