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 彼等の覚悟を理解した上でリトラーは伝える。


《外郭に敷かれたシステムは確かに驚異だ。しかしその運用の為に外郭のエネルギーの殆どは未だ不完全のシステムに注ぎ込まれている……つまり、ダイクロフトは今手薄だという事だ》

「ピンチをチャンスに塗り替える事が出来る……逆を言えば、出来なかったら地上は終わり……そういうわけだな、リトラー」

《その通り……レイノルズ、飛行竜はどんな状態なんだ?》


 問いに対しレイノルズは、何かを吹っ切ったかの様にハッキリとした声で答えた。


「現在飛行竜には以前召喚された始祖竜の戦闘部位を使い自動戦闘システムを稼働させています。出力は全盛期の約7割程度ですが、充分戦える筈です」

《行きは当然……ソーディアンマスター達が地上に戻る為の足を確保する為、だな?》

「はい、向こうでは何が起きるのかは全く分かりません……飛行竜に詳しい者を搭乗させる案もありましたが、万が一ミクトランに捕縛でもされれば戦いに大きな影響が出るので自動操縦にしました。
 ですがそれは飽くまで万が一、先の作戦で外郭の各施設を停止させた事により敵勢力は低下済み、復旧にもかなりの時間が掛かる筈。ラディスロウを陥落させた敵兵が相手でも、飛行竜が相手なら対抗出来ると思います。
 それに司令が先程おっしゃったダイクロフトが手薄という話を合わせれば、飛行竜の安全確保という課題は十二分にクリアだと僕は判断します」


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bkm

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