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 “彼女を救う”、その意味の真意が形になりかけている。

 だが同時に見えるのは更なる悲劇、呟いたのはウッドロウ。


「セシル君の身体が、ヒューゴと同じくその何者かの復活に使われていたら……元に戻す事は出来るのか?」


 新たな敵が待ち受けている可能性の隣には、常に考えたくない可能性が寄り添う。

 答えたのは冷静なレイノルズ。


「神の眼で復活したなら、神の眼で逆の事が出来るかもしれない。……セシルの意識が完全に消えていたら、流石にどうしようもないけれど」


 だから更なる覚悟を、そう今更になって降り掛かる現実。

 だがそれは本当に“今更”だった。


「あらゆる可能性は既に考えている……ミクトランを討つ、それが最大にして最終の目標……1人2人敵が増えた所で、何かが変わるわけじゃない」


 リオンの言葉に頷くソーディアンマスター達、それを目の当たりにしたレイノルズは密かに拳を作る。


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bkm

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