《ふう……在り合わせの回路でも何とかなるものだな》

「司令……」


 声の主はリトラー、つまりラディスロウからの通信。

 レイノルズの声は震えている。


《コアレンズは無事だったのか、リトラー》

《ああ、向こうの目的はラディスロウの停止だけだった様だ。外郭が完成したばかりで、あまり労力は使いたくなかったのだろう》


 冷静な分析を彼は続ける。


《さて、レンズが一ヶ所に集められているという事は……レンズエネルギーで外郭に穴を空けるという事か……その後恐らく飛行竜でダイクロフトに、といった所だろう》

「わ、分かるんですか」

《これでも地上軍の総司令だった男だからな。そして、狙いはラディスロウ……だな?》

「…………」


 答えないレイノルズだが、全て理解している様子のリトラーは穏やかに言った。


《きっと外郭を何とかした時に回収出来ないか考えていたのかもしれないが……今の外郭の状態を考えれば仕方ないだろう。千年前には片鱗すら見せなかったこのシステム……》


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bkm

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