歯を食い縛るのは科学者としての力不足と、“艦”を撃たねばならないという耐え難い現実がそうさせるのだろう。
だが誰も言葉を掛ける事が出来ない、彼の決断に甘んじるしかないと分かっているからだ。助手としてラディスロウに乗り、ソーディアンマスター達を助けた彼が、彼自身が作った砲でそれを破壊する事を決めた事に。
《……む……フィリアや、ちょっと頼まれてくれんや》
「え、はい……」
何かに気付いたかの様な様子のクレメンテの指示に従い、フィリアがレイノルズに歩み寄り小声で何かを伝えた。
一瞬驚いた様に眼を見開いたレイノルズはレンズ砲の操作パネルを開き、何やら作業を始めた。
「レンズの共振を、一時的にコアレンズと同調させれば……っ」
それが何の為の作業かは、皆耳で理解した。
《……と……、つな……み、たい……な》
クレメンテから全員の耳に届いた声、知る者は皆驚愕の表情を見せる。
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bkm
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