それでも全てを若者に託さなければならない憤り、きっとそれは王だけが抱いているモノではないのだろう。

 しかし王が次に見せた表情は、それ以上の悲痛を窺わせる。


「こんな私が、更に君達に伝えねばならん事がある……レンズ砲についてなのだが……」

「陛下、僕が話します」


 一歩前に出たレイノルズ、王は首を横に振った。


「いや、私にも責任の一端がある、だから……」

「レンズ砲を作ったのは僕です、全てを計算して答えを出したのも僕です、僕が……この作戦の責任者なんです。……お願いします、陛下」


 頭を下げる彼に、数秒の沈黙の後頷く王。


「分かった……頼む、レイノルズ」

「はい……」


 許可を得たレイノルズはソーディアンマスター達の前に立った。表情は王よりも厳しく、悲痛を物語る。


「発射という行為に重要なのは威力は勿論だけど、何処に当てるのかが更に重要になる。角度が1違うだけで伝わる力はかなり変わる」


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bkm

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