「何ていうか、ホント……ソーディアンマスターなんて大層な肩書きを持っていても、やっぱり普通の人間なんだよな」
「やはり口惜しいのか、待つしか出来ないのは」
「自分が出来る事に全力を注ぐ、なんて思いはしてもな……やっぱり着いていけないのは悔しいさ。一番危険な場所に自分より若い奴等を送り出さなきゃならないなんて……俺1人でティベリウスをどうこうしようとしてた頃が懐かしいよ」
「皆同じだな……信じて待つ……本当にそれだけなんだ」
フィリアに近寄りアピールするも研究対象とされたコングマンには眼も暮れず、穏やかなこの時間をマリーは噛み締めた。
決戦前夜である事が嘘かの様にこの時間は続く。
「……スタン」
「ん、何だ?」
マリアンから料理のコツを教えてもらっているルーティを横目で見ながらリオンは言った。
「……死ぬなよ、絶対に」
「勿論、……絶対“勝つ”からな」
「フン、当然だな」
未来の為に生きると彼等は誓う。
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bkm
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