「……シャル」
《はい?》
「僕に隠し事はしてないか?」
《…………》
返ってこない言葉、だが彼は責めなかった。
「僕が望むのは勝利だ」
《はい》
「お前は、不甲斐ない僕の剣であってくれるか?」
《勿論です、……マスター、エミリオ・カトレット》
言葉を聞いて彼は立ち上がり、休憩所を後にする。
そのまま向かったのは自宅、庭にはスタンとルーティが居た。
「何をやっているんだ?」
「べっつに、何でもいいじゃない」
「ルーティとちょっと約束を……」
「ベラベラ喋ってんじゃなわよっ」
スタンの頭を叩くルーティは動揺している。その様子から何となくではあるが状況を察した。
「フン……馬鹿馬鹿しいな」
歩き出すリオン、ルーティが彼に着いていき、スタンが2人を追う。
「アンタ、何か邪推してんじゃないでしょうね」
「何の事だか」
「ルーティ、その、ゴメン」
「そんな情けない顔して謝んじゃないわよっ」
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bkm
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