早くも呆れているディムロスにスタンは言い返し、再び考え事を始める。

 かと思いきや、徐にディムロスを構えた。


《……何をやっている》

「いやさ、自分の名前が付いた必殺技カッコイイと思ってさ。
 こう……スタン・トルネードーー!!」


 叫び、走り出す、19歳の青年。

 16歳の少年は、容赦無くティアラのスイッチを押した。


「はぎゃーー!!」


 非常に賑やかである。


「何か、ドッと疲れたわ」

「肩でも揉むか?」

「ううん、気持ちだけで充分よマリー……」


 船に戻ると海竜は、海の中へ消えて行った。

 それを見送り、船は再びカルバレイスへと向かう。


「――リオン、もう顔が青いよ……?」

「すぐ、カルバレイスに着く……それまでの辛抱だ……」

「それはそうだろうけど……、君はどうしてそう意地っ張りかなぁ……」

《そりゃあ、セシルにカッコ悪い所は見せられな――》


 どうして彼はこう、口が減らないのだろう。


prev next

bkm

[back]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -