微笑むマリアンの返答にリオンが慌てる。
「マ、マリアン!」
「あら、嘘は言ってないわよ?」
「嘘の方が良いよ……まったく」
溜息を吐いて気付く、自分が否定すれば良かったのではないかと。しかし当然既に遅く、恐る恐る彼はセシルを見た。
「フフッ……ホント、仲が良いんだ」
彼女は笑っていた。嫌味や偽りが混じったモノではなく、優しく楽しそうに。
その姿をリオンは無意識に見つめる。
「……何?」
「あ、い、いやっ、何でもない……」
眼を逸らしても彼女が笑う声が聞こえる。
シャルティエが小声でマスターに話し掛けた。
《坊っちゃん、セシルが気になるんですか?》
「うっ、うるさい!」
つい声を張り上げてしまい2人が少年に注目する。彼女達の視線に恥ずかしくなりリオンは深く俯いた。
「ご、ごめん……シャルが変な事言うから……」
「変な事……って?」
「う……セシルには、関係無い事、だから……」
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bkm
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