彼の提案にセシルは驚く。だが、マリアンやシャルティエもそれは同じで、今はセシルしか見ていないリオンは気付かない。
「ヒューゴに何と言われたかは知らないが、プライベートでの関係性くらい変えた所で問題は無い筈だ。公私の分別くらい出来るだろう」
「……でも……」
迷いを見せて当然なのだが、リオンは自分の意見を推した。
「普段マリアンと接してる感じでいいんだ、……嫌か?」
「嫌……というわけでは……その……」
揺れている様子の彼女の背をマリアンが押す。
「大丈夫、私も同じよ? ね、エミリオ」
「ん……うん」
「え……え?」
リオンとマリアンのやり取りにセシルは困惑している。
「だ、だって、リオン様本名は……」
「マリアンは、その……特別だ」
「特別……」
「ああ、特別」
理由を聞いてもよく分からないのかセシルの表情は変わらない。
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bkm
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