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「べつに、僕に気を使う必要は無いぞ……」

「ですがリオン様、主の前で姿勢を崩すのは付き人としてはちょっと……」


 固辞するセシル、マリアンは困った様に笑っている。しかしリオンは今の言葉で、彼女に敬語を使われるのが少し気に入らない様に感じた。

 どうしたら彼女が姿勢を崩すのか考えると、何とも簡単な方法を彼は思いつく。


「なら、僕を目上の人間と思うな」

「……え?」

「どうにも、お前に主扱いされるのは違和感を感じる」

「それは、私は付き人に相応しくないという……?」


 軽く俯く彼女の誤解を解くべくリオンは慌てて理由を話した。


「違う、そうじゃない、今気付いたが、お前の言動に腹が立っていた理由の1つは、お前は僕の部下だという関係性にある。付き人としての働きは良いが、言動には明らかに僕を馬鹿にしている節がある……自覚は無いらしいがな」

「すみません……」

「だが、飽くまで同じ訓練を受けているというだけの関係性ならまだ分からなくもない。無自覚からの言動では直しようがないからな、幾分か言葉の受け方も変わるだろう」


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bkm

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