シャルティエが含みのある言い方をするが冷静ではないリオンは気付かない。
何度考え方を変えようとしても覆せず、しかも真っ先に浮かぶのは外で会った彼女の顔ばかり。どうしたらこの苛々が無くなるのか、昼食の後自室で悩む彼はマリアンに呼ばれた。
「…………」
《坊っちゃん、眉間にシワが……》
リオンが廊下に出ると、何故かそこにはマリアンではなくセシルが居た。何故か彼女の方が戸惑っており、頻りに階段の方を見ている。
「……マリアンは」
「その……リオン様を呼んだ直後に、退散したというか……」
どうやら彼女の退散はセシルにも予想外だったらしい。
気まずい沈黙は続いたが、覚悟を決めたリオンが訊いた。
「もしかして、外に行きたいのか?」
「は、はい……天気が良いので」
今日は確かに天気が良い、メイドが洗濯物がよく渇くと喜んでいたのも見た。
空が好きなら、外に出たくなるのも頷ける。
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bkm
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