船へと戻る海竜の中、ルーティは恐る恐る話を切り出す。


「あ、あのさ、フィリア……さっきの、アレ、フィリアボム、だっけ? アレって一体……」

「あ、アレですか? 私、何とか皆さん力になりたくて色々試行錯誤していたんです。その結果出来たのがあのボムで……今回使ってみて、まだまだ改良の余地があると分かりましたわ」


 話す彼女が心なしか楽しそうに見えるのは、気のせいだろうか。


「小型軽量化して量産出来れば……ウフフ」


 気のせいではなかったようだ。


「……クレメンテが無くても、フィリア大丈夫だったんじゃ、ないかな?」

「…………」


 セシルの言葉に、リオンは否定も肯定も出来ずに黙り込む。

 フィリアが装備しているクレメンテは、複雑そうな唸り声を上げていた。


「フィリアボムか……」

《何をくだらない事を考えている》

「何も聞かずに決めつけるなよ」



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bkm

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