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 彼女が変わろうと努力をしているのに、自分がそれを怠るわけにはいかない。コレも対抗意識なのかと呆れは生まれるが、少なくとも今は呆れるだけに止めた。


「早く食べろ、冷めるだろ」

「……はい……」


 静かに食事は始まる。

 しかし2人は黙々と食事を続け、会話が発生する気配は全く無い。仕方なくシャルティエが助け船を出した。


《ね、セシルさ、僕の声が初めて聞こえた時どう思ったの?》

「……空耳……かと」

《でも今は驚かないよね……僕が何なのか気になったりしないの?》

「世の中何があるか分かりませんから……それに、私にとっては“話す剣”という認識だけで充分です」


 冷めた返答の後、彼女は続ける。


「まあこうして話せるのなら、それはそれで良いと思います。なかなか出来ない体験ですので……」

《うんうん、喋る剣なんてそう無いしね》

「お喋り過ぎる気もするがな……」

《喋らなかったら、ただの剣じゃないですか坊っちゃん! アイデンティティーを保つには沢山喋らなきゃならないんです》


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bkm

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