表情に不満は確認出来ないが、本心は分からない。だが今更どうする事も出来ないのを理解している彼はセシルを連れて部屋に向かう。
《マリアンはなかなか策士ですね》
「うるさい……」
部屋には既に食事の準備が出来ており、マリアンの姿は無い。2人で気兼ねなく、という心遣いなのだろうか。
とりあえず冷えた身体を温める為にもセシルはベッドに、リオンはその側にある椅子に腰を掛けた。
「食欲はあるらしいな」
「食べなければ良くなりませんから……、……いや……食欲は、あります」
言い直したのは彼女が自分の言動に“自覚”持ったからなのか。それは少したどたどしくもあり、彼女自身からは戸惑いが見える。
「無理して言い直さなくていい、僕も気にし過ぎていた……」
「しかし……」
「他人の言葉にいちいち反応するのはガキがする事だ……お前に悪気が無いと言うなら、僕がどうこう言っても仕方ない」
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bkm
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