困惑しているリオンに、セシルはおずおずと告げた。
「その、気を悪くされたのなら以後改めます……すみませんでした」
「…………」
彼女は何がしたいのだろうか。自分が悪いという姿勢で油断させているのか、それとも本当に無意識の内の行動だったのか、真意を計る事が出来なかった。
仮に全て計算された行動の上で油断させようとしているのだとしても今更油断するわけがなく、するとしたらかなり甘い考えを持っている者くらい。少なくともリオンはそうではない。
もしやこうして混乱させる事が目的かと一瞬考えるも、何の為という動機が一切思い浮かばない。
結局、何が目的なのか全く表に出さない彼女は、また空を見上げた。
「……さっきから空を見ているが……何なんだ」
「特に何も……ただ、見たいだけです」
空を見る事に意味を感じられない少年には、彼女の言葉の意味は分からない。
試しに見上げてみても、見飽きた空がそこにあるだけ。
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bkm
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