「ヒューゴは、お前がソーディアン……シャルティエの声が聴こえる事を知ってるのか?」
「さあ……コレについては“私から総帥に何か言った事はありません”が」
「そうか……」
もしやとも思ったが、と少年が考えた瞬間冷たい夜風が吹いた。
「……身体が冷えるぞ」
「私は大丈夫です……ですのでリオン様はお戻りになっても構いませんよ」
「…………」
拒絶の言葉と受け取るべきか。
しかしリオンは、今回は眼を逸らさなかった。
「お、お前に……言いたい事がある」
「何ですか?」
「……その……」
シャルティエが小声で応援している。
息を飲み彼は言った。
「すまな、かった、嫌な気分にして……」
やっと言ったその言葉。
しかし彼女は首を傾げて訊いた。
「何の話ですか?」
主語が抜けていたと彼は言い直す。
「最初にあった頃、お前に暴言を吐いただろう、僕は」
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bkm
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