その姿には普段感じる余裕は全く無く、まるで焦がれているかの様にただただ空を見ている。
驚くリオンだが、一度深呼吸をし彼女に近寄り声を掛けた。
「セシル」
「……! ……リオン、様」
やっと存在に気付いたセシルは首を傾げている、何故彼が此処に要るのか疑問に思っているのだろうか。
同じ疑問を抱いている少年が先にその質問をする。
「何故此処に居る、休んでなくていいのか?」
「……暇、だったのと、少し風に当たりたくて……すみません」
「い、いや、謝らなくていいんだが……」
そしてやはり訪れた沈黙、シャルティエが応援する。
《坊っちゃん、今がチャンスですよ! ねっ!》
相変わらずの少し無責任に感じなくもない、それでいて心強い言葉。確かにコレはチャンスだとリオンが話を切りだそうとしたが、セシルに遮られた。
予想外の言葉で。
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bkm
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