22

 翌日、リオンは殆ど自室から出なかった。シャルティエと相談しながら読み掛けの本や戦術書を読み、運が良いと言うべきかヒューゴに呼ばれる事も無かった。

 気分は先日よりも僅かだが軽く、部屋に籠って考え事をするだけなら充分だろう。


《良かったですね、彼女良くなってきたみたいで》

「……だな……」


 夕方になり、先程マリアンがセシルの様子を伝えに来た。まだ本調子ではなさそうだが、食事も充分に取れているらしい。


《坊っちゃん、いっそお見舞いにでも行ったらどうです?》

「警戒、されないか?」

《多分、大丈夫……だと思いますけど……》


 普段の関係を考えると、突然お見舞いに行って警戒される様が簡単に浮かぶ。

 だが手持ちぶさたになっている現在、他にできそうな事も無い。


「仮に、行くとして……何を話せばいいんだ……」

《共通が話題が良いですよね……フィンレイ様の事とか》


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bkm

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