マリアンの言葉にさえ集中が出来ない。それに気付いているマリアンは優しく声を掛ける。
「先ずはゆっくり休んで……それからね……?」
「……ん……」
「じゃあ、後で食器を取りに来るわね」
彼女はリオンが頷いたのを見てから静かに部屋を出た。
テーブルにある食事に眼を向ける事はするが、手をつけることはしないマスターにシャルティエが言葉を掛ける。
《坊っちゃん、食べないんですか?》
「食べる……」
《……ちゃんと、食べてくださいね。元気じゃなきゃ何も出来ないですから》
「そうだな……」
それから数分再び横になっていたリオンは漸く食事に手を付けた。
「……シャル、今の僕をどう思う」
《そうですねェ……普段と比べたら大分弱々しく見えますが……人間らしいなって思います》
剣はそう言って笑う。
“彼”は、剣であって人ではない。しかし、もしかしたら自分より人間らしいかもしれない少年は溜息を漏らし苦笑する。
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bkm
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