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「過労……ですね、肉体的か精神的か、原因は分かりませんが……」


 セシルを診察した医師はフィンレイとリオンにそう報告した。未だ眼を覚まさないセシルは此処医務室のベッドの中で静かに寝息を立てている。


「命に別状は無いんだな?」

「はい、暫く安静にしていれば良くなるかと」

「そうか……良かった……ご苦労だったな、下がってくれ」

「それでは……失礼致します……」


 医師はフィンレイに一礼してから医務室を出ていった。

 リオンは眠るセシルを見て、ちゃんと彼女の顔を見た事が無かったと自覚する。それはつまり無意識の内でも彼女を拒絶していたという事、失礼どころの話ではない。


「過労か……気付けなかった私のミスだな……リオン、お前は大丈夫か?」

「はい……大丈夫です」

「ならいいが……彼女が女だという事を考慮していなかったかもしれないな……お前より歳上とはいえ、考えが甘かった」


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bkm

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