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「皆さん、ワープパネルの起動完了しました。パネルに乗ってください」


 フィリアの指示に皆従い、パネルの上に乗る。

 数秒後周りが光に包まれたかと思った瞬間、一行は海竜の近くに移動していた。


「うわっ……あ、もう着いたのか?」

《ああ、瞬間移動だからな。海竜に乗り船に戻るぞ》


 パネルから降り海竜に向かおうとした時、ふとルーティが呟く。


「そういえばフィリア、一人で奥まで来たのよね? モンスターとか大丈夫だっの?」

「あ、はい、コレがありましたから」


 質問をキッカケに皆が持ち始めた同じ疑問に応える為にフィリアが懐から出したのは、一本の瓶。何やら禍々しい色の液体が入っている。


「ホーリィボトル、ではない――!?」


 セシルが言葉を切り振り返り確認すると、数メートル先にローパーが此方に向かって来ていた。

 剣を抜こうとする前に、フィリアが振り被り叫ぶ。


「フィリアボム!」


 放たれた瓶がローパーに当たった瞬間、そこに居た筈のモンスターが消し飛んだ。

 一撃で、消し飛んだ。


「……!?」


 一体何が起きたのだと、この時ばかりは皆の心は一つになった。



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bkm

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