その機会後日、何時も通りの訓練中に訪れた。休憩の為にセシルが離れた所で彼は話を切り出す。
「フィンレイ様、訊きたい事があるのですが……」
「ん、どうし……」
視界の外から聞こえた何かが倒れる音。リオンの耳にはシャルティエの言葉が直後に響く。
《坊っちゃん! セシルが!!》
リオンとフィンレイは振り向き、倒れたまま動かないセシルを視界に入れた。
2人は駆け寄り、フィンレイが彼女を抱き上げ容体を確認する。
「セシル、聞こえるか? セシル」
眼は閉じたまま、声も返ってこず、意識を失っている様だ。
「熱は無いが、脈が弱いな……リオン、セシルの分の剣を持って来てくれ」
「は、はい」
2本の模造剣、そしてシャルティエを持ちリオンは、彼女を抱き上げ医務室へ向かうフィンレイを追う。
今までの事なんて一気に吹き飛んでしまう突然の事態、出来るだけ冷静である事に彼は務めた。
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