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「実はね、貴方が客観的過ぎるっていう話はフィンレイ様に言われたの。将軍の身である自分が生徒の私生活にあまり深入りするわけにはいかないからって、少し前にね」

「フィンレイ様、が……?」

「ええ、そしてこんな事も言っていたの……セシルは私との距離を一定以上詰めようとはしない、しかしリオンとの距離は私よりも元々近い気がする……って」

「えっ……え?」


 よく分からず首を傾げる、だがそれで答えが出る筈も無い。

 此方から距離を詰めようとしたのだから近くなって当然だが、“元々”というのはどういう事なのだろうか。意味は分かる、近付く前から距離は近かったという事なのだろう。

 だからこそ分からない。


「いや、逆じゃないのか? 寧ろ遠い……」

「どうなんでしょうね……人を見る眼だったら間違いなくフィンレイ様の方が優れているだろうし」


 師の言葉を疑うわけではないが、やはり納得しかねる。理由が全く分からないのだから無理もないのだが。


「どういう事なんだ……」


 先ずは師の言葉の真意を確認しなければならない。


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bkm

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