「貴方は自分の未熟な部分を分かっているからこそ、努力してそれを克服しようてする立派な人よ。それに人間だもの、迷う時だってあるわ」
「で、でも……克服出来なければ、意味無い……」
「そうね……でも焦ってもつまづくだけだわ。実際今もそうでしょう?」
「…………」
反論する余地は全く無く、リオンはテーブルに視線を落とし押し黙る。
「その要因はセシル……それを何とかしたくても出来ない……だから、余計焦っているのよね?」
「……うん」
「……セシルの事、そんなに嫌い?」
簡単な質問、だが彼は答えられなかった。思ったのは、嫌いと答えればマリアンが悲しむのではないかという事。
だから質問を返してしまう。
「マリアンは……アイツをどう思うんだ?」
「私はそうね……人付き合いが本当に上手い人だと思うわ。他の皆にも聞いてみたんだけど、彼女に悪い印象を持ってる使用人は居なかったわね」
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bkm
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