12

「貴方は自分の未熟な部分を分かっているからこそ、努力してそれを克服しようてする立派な人よ。それに人間だもの、迷う時だってあるわ」

「で、でも……克服出来なければ、意味無い……」

「そうね……でも焦ってもつまづくだけだわ。実際今もそうでしょう?」

「…………」


 反論する余地は全く無く、リオンはテーブルに視線を落とし押し黙る。


「その要因はセシル……それを何とかしたくても出来ない……だから、余計焦っているのよね?」

「……うん」

「……セシルの事、そんなに嫌い?」


 簡単な質問、だが彼は答えられなかった。思ったのは、嫌いと答えればマリアンが悲しむのではないかという事。

 だから質問を返してしまう。


「マリアンは……アイツをどう思うんだ?」

「私はそうね……人付き合いが本当に上手い人だと思うわ。他の皆にも聞いてみたんだけど、彼女に悪い印象を持ってる使用人は居なかったわね」


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bkm

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