「結構だ、さっさとヒューゴの所に行け」
「……失礼します」
セシルは背を向け去っていく。
リオンは拳を作り、歯を食い縛る。
「くそっ……!」
思い返せば拒絶の意思を見せたのは此方が先。その態度についてマリアンに注意され、更に敵意は募った。
そしてすぐにフィンレイが認める程の剣士の才を見せた。
「……何なんだ、アイツ……!」
以前もこの本音を溢している。
「これじゃあ、僕がガキみたいだろ……!」
対人関係の組み立て方が上手く、文武に秀でている彼女に“今まで”が取られて悔しい、心の何処かで自覚している自分の弱さを棚に上げる様な八つ当たり。だが敵意を向けない事が出来ず、更にそんな自分にも苛立ちを覚える。
負の循環、どうしたら抜け出せるのか全く分からない。
「あんな奴、現れなければ……!」
《坊っちゃん、それは……》
「…………」
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bkm
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