フィンレイもマリアンも自分の意思を行動に変える事が出来る、リオンはそれが酷く羨ましかった。自分も、早く、その焦りが彼を視界を狭めていく。
俯く少年にマリアンは言った。
「私、彼女が本当に笑った顔を見てみたいわ」
「笑、う……?」
「ええ、心の底からの笑顔……それが見れた時が、私達が彼女を理解出来た時だと思うわ」
「…………」
彼女が笑う、本当の意味で。
自分の部屋でリオンは呟く。
「アイツが笑う……」
《うーん……マリアンも難しい事を言いますね……僕だったら何時だって笑うんですけど》
「お前の笑顔は……何となく胡散臭い気がするな……」
《酷い!》
ソーディアン・シャルティエはマスターの言葉に傷付くも、めげずに頭を働かせる。
《話し掛けるとしたら、彼女が興味ありそうな話題が良いですよね》
「アイツが興味ありそうなモノって……」
《思い当たらないんですよねェ……》
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bkm
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